犬を飼っているといいことばかりではありません。
「来訪者に吠える」
「ソファやベッドなどあちこち噛む」
「おしっこやうんちを決まったところでしてくれない」
こういった悩みや相談をたくさん受けてきました。
そんな場合にドッグトレーナーなど犬のしつけの専門家によっては「しかりつけて」しつける方法をとるトレーナーがいます。
しかし、私は「しからない」方法で犬をしつけます。
なぜならしかるとさらに問題行動を起こす場合があるからです。
この記事では犬のしつけの際に「しからない」メリットについて解説します。
叱るしつけのデメリット
まず「叱る」しつけのデメリットについて解説していきます。
本当の意味での理解をしてくれない
例えば、犬がトレイを粗相してしまった場合、その場で発見できた場合ならいいですが外出中など時間がしばらくたってから粗相に気づくことがあります。
飼い主が帰ってきて「こんなところに粗相して!」といって叱ったとしても犬にとってはもうすでに過去の出来事で何のことで怒られているのか理解できません。
粗相した場所に鼻を擦り付けてその場所にやらないように、とする人がいますが言語道断です。犬にとってはただただ虐待を受けていると感じるだけです。
ストレスが生まれる
叱られることは人間と同じで犬にとってもストレスです。従順な犬は叱られてうなだれたままいることがありますが、精神的にも体調的にも影響します。
ご飯を食べなくなったり、トイレを我慢するようになってしまいます。
問題行動をさらに助長する
犬に飼い主の意図を伝えるのは至難の業です。吠えないようにするために吠えている時に叱る人がいますが、犬からすると飼い主がかまってくれるんだと誤解してしまいさらに吠えを助長してしまいます。
飼い主と犬の関係に負の連鎖が生まれる
叱るという行為は得てして必要以上にエスカレートしてしまうものです。脳内でドーパミンが分泌され興奮状態になってしまうのです。
本来は良好な関係を築くためのしつけがやがて「叱る」ことが当たり前になってしまい、大した粗相でもないのに叱ることが常態化してしまい、負の連鎖が生まれてしまいます。
叱るという行為で問題行動が収まる場合はもちろんあります。しかし、それで解決しないことももちろんありますし、デメリットの方が多いのです。
叱らないしつけとは
じゃあ叱らないしつけとは何かというと「褒める」と「無視」するというものです。
褒める効果とは
問題行動をしなくなった時に褒めます。犬は人間と良好な関係を築きたいのです。その心理を利用します。
例えば、トイレを所定の場所でできた場合は褒めます。褒める際には最初はフードやおやつを与えます。やがて言葉で褒めるだけにします。
また、出来なかったときは早々に片付けます。その場合は無視します。
こうすることで犬は少しずつ褒められた時の行動を覚えるようになり、やがて所定の場所で自然とトイレをするようになります。
無視する効果とは
「吠える」などの行動は褒めることでのしつけが難しいです。この場合は「無視」だけします。
問題行動の多くはかまってほしい現れというのがあるのでその場合には無視することで行動を減らすようにします。
叱らないしつけは行動分析学に基づいている
一見、効果なさそうに見えますがこのしつけ方法は行動分析学というきちんとした科学的アプローチによるものです。
褒めるとは行動の「強化」、無視するは行動の「弱化」と言われます。
叱るは一見効果ありそうですが非科学的アプローチなのです。
しからないしつけのポイント
では最後にしからないしつけのポイントを解説します
フードを使う
最初は褒めるという行為を最大限表現するためにフードを利用します。
特にしつけの場合、太る可能性のあるおやつよりフードがいいでしょう。
道具を使う
クリッカーなどを使うのも手です。
専門家に相談する
最初は難しいので専門家にしつけ方を習うのも一つです。
まとめ
しつけは言葉が通じない犬と人間が互いにストレスをためないようにするためにとても重要です。
ぜふ、叱らないしつけで良好な関係を築いてほしいです。